【じゃあ、君の代わりに殺そうか？～プリクエル【前日譚】～】2巻ネタバレと感想～遺産争奪戦争開幕！～

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【じゃあ、君の代わりに殺そうか？～プリクエル【前日譚】～】2巻ネタバレ

異母兄弟である守景雪華（もりかげ せっか）は、ただ一人、兄の愛繕をその手にかけるため、彼が通う中学校へと足を運びました。

雪華は、下校中の愛繕の幼馴染・西川を見つけると、氷のような声で兄の居場所を問いただします。しかし、西川が口を固く閉ざした瞬間、容赦のない暴力が彼を襲いました。

雪華は、意識も朦朧とした西川を引きずり、躊躇なく校内へと侵入します。その惨状を目にした愛繕は、親友のもとへ駆け寄りました。

「会いたかった」

血の匂いとは裏腹に、雪華は甘えるように愛繕に抱きつきます。振りほどき、怒りに任せて放った愛繕の拳は、しかし、いとも容易く受け止められてしまいました。圧倒的な実力差。その気迫に気圧され、一歩も動くことすらできません。愛繕は、為す術もなく絶体絶命の淵に立たされます。

その頃、若頭の神楽水は、病院で静養する愛繕の父を訪れていました。息子の雪華から届いたという見舞いの品を、父へと手渡します。

父が箱の蓋を開けても、そこには何も入っていませんでした。神楽水は静かに告げます。中身の栄養ドリンク12本、その全てにシアン化カリウムが混入されていたことを。

「親を毒殺しようとは。立派に育ってくれて嬉しい」

父は、心の底から悦に入ったように呟きました。我が子らが繰り広げるであろう殺し合いを、その目で見届けられないことだけが心残りだと。

「病で朽ち果てるより、我が子に殺される方が本望だ」

そう言い残し、父は雪華が送った毒入りのドリンクを迷いなく呷り、その生涯に自ら幕を下ろしました。

父の死と共に、九人の兄弟姉妹による遺産を巡るバトルロワイアルの火蓋が、ついに切って落とされます。

強敵だらけの兄弟を相手に、果たして愛繕は生き残ることができるのでしょうか──。

【じゃあ、君の代わりに殺そうか？～プリクエル【前日譚】～】2巻感想

このエピソードには、読者の心を鷲掴みにする強烈な魅力が詰まっていますね。

まず、異母兄弟・雪華のキャラクターが非常に印象的です。兄に「会いたかった」と甘えるように抱きつきながら、その直前には幼馴染を躊躇なく痛めつけるという、愛情と狂気が同居した姿には背筋が凍ります。愛繕が全く歯が立たないほどの圧倒的な強者として描かれており、今後の最大の障壁になることを予感させます。

そして、父親の最期のシーンは、この物語の異常性を象徴しています。実の息子からの毒殺の企てを「立派に育った」と喜び、自らその毒をあおって死を選ぶ姿は、常軌を逸した価値観を持つ一族の恐ろしさを見事に表現しています。彼の死が、壮絶な兄弟殺しのゴングとなる展開は、まさに圧巻の一言です。

主人公の愛繕が、これからどうやってこの狂った状況と、規格外に強い兄弟たちに立ち向かっていくのか。絶望的な状況から始まる物語に、読者は目が離せなくなること間違いなしです。スリルと狂気に満ちた展開が好きな方には、たまらない内容と言えるでしょう。

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