7世紀の唐王朝を舞台に、中国史上唯一の女帝・武則天の激動の生涯を鮮烈に描き出す漫画『レッドムーダン』。その壮大な歴史ロマンと、過酷な運命に翻弄されながらも頂点を目指す主人公の姿は、多くの読者を魅了し続けています。
『レッドムーダン』をこれから読みたいけれどどんな話か知りたい方、すでにハマっていて先の展開や他の人の評価が気になる方、もっと深く作品世界を味わいたい方へ。本記事では、そんな大注目の『レッドムーダン』について、核心に迫るネタバレ情報から作品の魅力まで徹底的に解説します!
この記事で分かること
- 『レッドムーダン』の壮大な物語の基本的なあらすじ
- 主人公・武則天(武照)や後宮を彩る主要な登場人物、特に物語の鍵を握る四妃の紹介とその魅力
- 単行本1巻から気になる最新話までの詳細なネタバレと物語の重要な展開
- 息をのむような後宮ドラマの様子など、作品の見どころ
- 作品におけるグロ・残酷描写の有無とその程度について
- 実際に読んだ人たちのリアルな感想・レビュー
- 現在の連載状況と、気になる完結に関する最新情報
この記事を通じて、『レッドムーダン』の奥深い世界と、主人公・武照が女帝へと駆け上がる壮絶な物語の魅力を余すところなくお届けします。どうぞ、最後までお楽しみください。
「レッドムーダン」 あらすじ:女帝への過酷な道
作品名 | レッドムーダン |
作者 | 園沙那絵 |
連載雑誌 | グランドジャンプ むちゃ |
巻数 | 9巻配信中 |
漫画『レッドムーダン』は、後に中国史上唯一の女帝として名を馳せる武則天、その若き日である武照(ぶしょう)の物語から始まります。物語開始時、13歳の武照は父を亡くし、裕福だった生活から一変。異母兄からの冷遇を受け、祖母、母、妹と共に召使い同然の貧しい日々を送っていました。
病に倒れた母を救うため奔走するも、貧困は容赦なく彼女たちにしかかり、最愛の母は病死してしまいます。この深い悲しみと貧しさの残酷さを痛感した武照は、残された家族を守り、そして何よりもこの屈辱的な境遇から這い上がるため、都から来た宦官の勧めに従い、後宮へ足を踏み入れることを決意します。
しかし、彼女を待ち受けていた後宮は、皇帝の寵愛を巡って数多の女性たちが策略を巡らせる、まさに壮絶な生存競争の場。最下位の「才人」として後宮での生活を始めた武照は、早々に先輩后妃たちによる陰湿ないじめの洗礼を受けるなど、想像を絶する厳しい現実に直面します。
『レッドムーダン』は、このように貧しく過酷な境遇から後宮という更なる試練の場へと足を踏み入れた武照が、類稀なる才知と不屈の精神でいかにして困難を乗り越え、後に女帝とまで呼ばれる存在へと成り上がっていくのか、その波乱に満ちた「過酷な道」を描き出す物語です。
「レッドムーダン」 ネタバレ:主要登場人物と魅力
漫画『レッドムーダン』の壮大な物語は、主人公・武照だけでなく、彼女を取り巻く個性豊かで魅力的な登場人物たちの存在によって、より一層深みを増しています。彼らとの出会い、協力、そして対立が、武照の運命を大きく揺さぶり、後宮における熾烈な権力闘争や濃密な人間ドラマを織りなしていきます。ここでは、物語の核心に関わる主要なキャラクターたちと、その魅力について触れていきます。
武照(ぶしょう):後の女帝・武則天
本作の主人公であり、後の中国史上唯一の女帝・武則天その人です。物語は、彼女がまだ武照という名の13歳の少女だった頃から始まります。かつて裕福だったものの父の死により貧困に喘ぎ、異母兄からの冷遇に耐える日々。当初は純粋で正義感が強く、心優しい少女として描かれますが、病気の母を救えなかった無力感や家族を守りたい一心、そして何よりも屈辱的な境遇から這い上がろうとする強い意志を胸に後宮へ入ります。
後宮の過酷な現実、嫉妬や陰謀が渦巻く中で、彼女は持ち前の類稀なる才知と不屈の精神、そして時に見せる大胆な決断力で、次々と降りかかる困難を乗り越えようとします。読者は、この純粋だった少女が、いかにして歴史に名を刻む女帝へと変貌を遂げるのか、その激動の成長譚に強く惹きつけられます。彼女の行動原理や、時に見せる非情さの片鱗は、単なる悪女でも聖女でもない、複雑で人間味あふれるキャラクターとしての魅力を際立たせています。
四妃ほか:後宮を彩る重要キャラクター
武照の運命に深く関わる、後宮の妃たちや重要人物も物語の大きな魅力です。
李世民 (りせいみん)
唐の第二代皇帝・太宗。全ての后妃たちがその寵愛を一身に受けようと競い合う、絶対的な権力者。彼の意向一つで、妃たちの運命は大きく左右されます。
鄭賢妃 (ていけんひ)
武照の才能を見抜き、時に厳しく、時に母のような優しさで彼女を導く高位の妃。後宮での生き方や知識を授ける師であり、武照にとって精神的な支えとなる重要な存在です。
楊淑妃 (ようしゅくひ)
後宮で高い序列を誇る有力な妃の一人。新参者である武照に早くから目をつけ、その才覚を警戒し、初期における明確な敵対者として武照の前に立ちはだかります。
燕徳妃 (えんとくひ)
四妃の一角を占め、強い野心と権力への渇望を持つ策略家。鄭賢妃や武照にとって大きな脅威となり、後宮の権力図を揺るがす存在として描かれます。
徐恵 (じょけい)
後宮入りしたばかりで右も左も分からない武照に優しく手を差し伸べ、後宮の階級制度や派閥について教える妃。武照にとっては初期の友人であり、時には無実の罪から救い出してくれるなど、頼れる存在です。内分学館では武照、玲玉と共に学びます。
玲玉 (れいぎょく)
武照や徐恵と共に内分学館で学ぶ友人。皇帝の子を身ごもるという幸運を手にするものの、それが悲劇的な運命を引き起こし、毒殺されてしまいます。彼女の死は武照に深い悲しみと激しい怒りをもたらし、後宮の非情さを改めて突きつけると共に、その後の武照の行動原理に大きな影響を与えることになります。
これらの登場人物たちが織りなす複雑な人間関係、忠誠、裏切り、そして策略の数々が、『レッドムーダン』の物語に緊張感と予測不可能な面白さを与えています。
「レッドムーダン」の見どころ
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漫画『レッドムーダン』の最大の魅力であり、多くの読者を惹きつけてやまないのが、7世紀の唐王朝を舞台に、中国史上唯一の女帝・武則天の激動の生涯を描く、その息をのむほど「壮絶な後宮ドラマ」です。
後宮は、皇帝ただ一人の寵愛という絶対的な権力を求め、数千人とも言われる女性たちが美貌、才知、そして策略の限りを尽くして争う場所。そこでは、表向きの華やかさとは裏腹に、嫉妬、羨望、裏切りが渦巻き、一瞬の油断が命取りになりかねない、まさに血なまぐさい生存競争が繰り広げられています。本作は、この女たちの世界の陰湿さや残酷さを容赦なく描き出します。「女の争いは男のように武力の争いはないので、複雑な人の心を利用するずる賢い女が権力争いに勝利する」と評されるように、ライバルを貶めるための巧妙な罠や、時には目を背けたくなるほどの残虐なシーンも登場しますが、それがかえって後宮の非情なリアリティを際立たせ、物語に強烈な緊張感と没入感を与えています。
主人公・武照が、最下層の「才人」からいかにしてこの魑魅魍魎が跋扈する世界で、持ち前の知恵と不屈の精神、そして時に見せる非情な決断力をもって成り上がっていくのか、そのスリリングな過程は本作の見どころの中心です。彼女の純粋さが試され、策略によって傷つきながらも、それを糧に成長し、反撃に転じる姿は多くの読者の心を掴みます。
さらに、単なる権力闘争に留まらず、武照を支える者との間に芽生える友情や師弟愛、敵対する者との息詰まる心理戦、そして歴史上の人物である武則天の「三大悪女」という評価と「名君」であったかもしれないという再解釈の狭間で揺れ動く人間ドラマが複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。『キングダム』の作者である原泰久氏が推薦コメントを寄せていることからも、その重厚な物語と人間描写の力強さが伺えます。読者からは「ほのぼのとして優しい話と、女同士の争い・残虐な話が交互に来るので、心が壊して治してを繰り返してます」といった声も寄せられており、感情を大きく揺さぶる展開が本作の大きな魅力と言えるでしょう。
漫画「レッドムーダン」ネタバレまとめ!後宮の熾烈な権力争いが描かれる!
1巻ネタバレ
かつて、貧しい暮らしを余儀なくされていた十三歳の少女、武照(ぶしょう)がおりました。 母と妹と共に、慎ましくも懸命に日々を送りながらも、運命の歯車は静かに、しかし確実に回り始めていたのです。 ある日、後宮の妃たちが村を訪れた際、武照の類稀なる可憐な容姿が宦官の目に留まり、彼女の人生を一変させるであろう提案がなされました。 後宮に入れば豊かな生活が約束されるものの、それは愛する家族との別離を意味しておりました。 武照は深い葛藤を抱えながら日々を過ごす中、病に倒れた母の死という悲劇が、彼女の心を決定づけることになります。 手術代を工面する術もなく、最愛の母を失った深い悲しみと共に、貧しさの残酷さを骨身に染みて痛感した武照は、後宮で必ずや成功を収めると固く心に誓うのでした。
古都・長安への旅立ち、そして荘厳なる後宮への誘い。 武照は宦官に導かれ、絢爛豪華な後宮の世界へと足を踏み入れました。 そこで彼女を待ち受けていたのは、楊淑妃(ようしゅくひ)様の誕生日を祝う、目も眩むほどに豪華絢爛な宴でありました。 新参者として、周囲から冷ややかな視線を浴びながらも、武照は未知なる世界への第一歩を毅然と踏み出します。 しかし、後宮での生活は想像を遥かに超えて厳しく、早々に妃たちによる陰湿ないじめの洗礼を受けることとなりました。 そのような中にあって、武照に優しく手を差し伸べてくださったのは、徐恵(じょけい)という名の妃でした。 徐恵から後宮における複雑な階級制度や派閥について教えを受けながら、武照は徐々に、この華やかなる牢獄での確固たる立ち位置を築こうと奮闘を始めます。
そして、後宮の頂点に君臨する「四妃」と称される妃たちの中でも、ひときわ強大な権勢を誇る楊淑妃の登場。 身分の低い妃たちが恐る恐る祝いの品を献上する中、武照は思いもよらぬ行動によって、楊淑妃の逆鱗に触れてしまうのでした。 この失態が、まだ何者でもない武照の未来に、一体どのような影響を及ぼすことになるのでしょうか。

2巻ネタバレ
楊淑妃(ようしゅくひ)に反抗した代償として、武照は鞭打ちの苦痛に身を震わせる朝を迎えました。 体は無数の傷痕に覆われ、後宮の非情さを骨身に染みて悟るのでした。 最底辺の位である「才人」としての新たな生活が始まり、彼女の前には、この厳格な階層社会を駆け上がるための険しい試練が待ち受けておりました。 他の才人たちから押し付けられる理不尽な量の仕事にも、武照は文句一つ言わず真摯に取り組み、そのひたむきな姿勢は、次第に周囲の者たちの心をも動かしていくのでした。 しかし、その純粋さが仇となり、同僚の才人である茉莉(まり)によって無実の罪を着せられてしまいます。 状況は絶望的に思われましたが、その窮地に再び現れたのは徐恵(じょけい)でした。徐恵は武照の潔白を証明し、同時に、この後宮で生き抜くための心得を説くのでした。
その後、鄭賢妃(ていけんひ)の元へ召し出されたことは、武照にとって新たな試練の幕開けを意味していました。 後宮全体を統率する鄭賢妃からの直々の指南は、武照にとって、この複雑怪奇な世界で生き残るための重要な指針となることでしょう。 そして、才人たちの能力を試す「題目」が発表されます。それは、才覚を示し、皇后への道を切り開くまたとない好機でありました。
果たして武照は、この試練を見事乗り越え、後宮という厳しい世界で自らの地位を確立することができるのでしょうか。 渦巻く陰謀と策略の中、彼女の運命は、これからどのように展開していくのでしょうか。

3巻ネタバレ
内分学館での勉学に励む武照は、そこで秘められた才能を徐々に開花させていきます。 数々の困難を乗り越えながらの学びは、彼女の内に秘めた未知の可能性を呼び覚まし、その才能が確かな輝きを放ち始めるのでした。 武照、徐恵(じょけい)、そして玲玉(れいぎょく)の三人は、これまでの努力が認められ、内分学館で学ぶという貴重な機会を得ましたが、学問の道は決して平坦なものではございませんでした。 膨大な量の課題と、その達成に向けた厳しい指導が、彼女たちを待ち受けていたのです。 しかし、武照は学ぶことの喜びに目覚め、どのような困難にも屈せず、真摯に向き合っていきます。
この武照の目覚ましい成長は、残念ながら、嫉妬に燃える他の妃たちの格好の的となってしまいます。 学問の道を真っすぐに進む武照への陰湿な嫌がらせは、彼女にとって大きな精神的な試練となりましたが、そのような時、親友である徐恵の温かい励ましと支えが、武照に再び立ち上がる勇気を与えてくれるのでした。
一方で、「美人」の位にある空林(くうりん)が、胸に秘めた深い悩みを武照に打ち明けます。 空林は、自分よりも位の高い許旦陽(きょあさひ)によって、提出すべき宿題をことごとく奪われ、その結果、常に宿題を提出できないという大変苦しい立場に置かれていたのです。 この不正を正すため、武照は密かに計画を練り、ついに旦陽の卑劣な策略を衆目の前で明らかにします。 自らの悪事が露見した旦陽は、激しい怒りに震え、武照への復讐を心に誓うのでした。 そして、まだ純真な武照を「夜の講義」と称する巧妙な罠へと誘い込もうと画策するのでした。

4巻ネタバレ
武照は鄭賢妃(ていけんひ)様より、夜伽の手ほどきを受けることになりました。 鄭賢妃様は、武照の肌に触れ、秘めやかな悦びへと導くように、優しくその身体を解きほぐしていきました。 武照は初めての経験に戸惑いながらも、自身の体中が熱を帯びていくのをはっきりと感じておりました。 鄭賢妃様は途中でその行為を止め、「この続きは、陛下と二人きりの閨(ねや)でお楽しみなさい」と、慈愛に満ちた眼差しで助言なさいました。 それまで夜伽に対し漠然とした怖れを抱いておりました武照でしたが、鄭賢妃様の優しい手ほどきによって身体の緊張が和らぎ、いつしか恐怖心は跡形もなく消え去っておりました。
程なくして、唐王朝の皇帝である李世民(りせいみん)陛下が遠征よりご帰還なされ、明日には陛下をお慰めするための慰労会が催されることとなりました。 妃たちにとってこの慰労会は、帝の御心に近づくまたとない機会であり、その夜の夜伽の相手に選ばれるべく、女たちの静かな、しかし熾烈な争いが繰り広げられる場でございます。 武照たちが帝との対面に緊張を隠せないでいる中、徐恵(じょけい)様だけは落ち着いた、余裕のある表情を浮かべておりました。 驚くべきことに、徐恵様は既に陛下との夜伽を経験なさっていたのです。 彼女は、帝の人徳と治世を深く敬愛しており、心より尊敬申し上げていると語るのでした。 徐恵様のお話に耳を傾けるうち、武照の胸にも、帝との顔合わせに対する期待感が芽生え始めておりました。
翌日、待ちに待った慰労会が執り行われ、いよいよ帝にお目にかかれる瞬間が近づいてまいります。 妃たちは侍女の手によって美しい衣を纏い、顔には華やかな化粧が施されていきました。 陛下の夜伽の相手候補に選ばれるのは、居並ぶ妃たちの中から、わずか十名のみ。 しかし、内分学館で常に首席の成績を収める許旦陽(きょあさひ)は、その才覚を認められ、既に夜伽候補として推薦されておりましたので、残るは九つの席を巡っての争いとなります。
果たして、武照は数多の妃たちの中から選ばれ、夜伽の座を掴むことができるのでしょうか。

後宮の妃たちの最終目標は、皇后になることです。そのためには、陛下の心を鷲掴みにして、皇后に選んでもらわなければなりません。皇后になる第一歩として、夜伽に選ばれる必要があります。陛下は武照に対してどのような評価を下すのか!!
5巻ネタバレ
帝をもてなすための慰労の宴が催されました。武照は、夜伽(よとぎ)の相手候補として選ばれた十名のうち、末席に名を連ねていました。その武照の存在を密かに危険視する旦陽(あさひ)は、不慮の事故を装い、武照の頭上に巨大な行灯(あんどん)を落下させようと、ある策略を巡らせます。腹心の女官に命じ、行灯を吊るす縄を刃で断ち切らせたのです。しかし、運命のいたずらか、行灯はあろうことか帝・李世民の真上に落下し、宴席は一瞬にして炎に包まれてしまいました。李世民は咄嗟に身をかわし、幸いにもお命に別状はございませんでしたが、猛火は瞬く間に宮殿を飲み込まんとする勢いでした。
居並ぶ后妃たちがただうろたえ、恐怖に叫び声を上げるばかりでしたが、武照はただ一人、果敢にも炎に立ち向かい、懸命に鎮火に努めたのです。彼女の勇気ある奮闘の甲斐あって、猛威を振るった火の手は、無事鎮圧されました。
事態が収束いたしますと、火災を引き起こした下手人の捜索が始まりました。火付け役の女官は旦陽の指示であったと白状いたしましたが、旦陽は、女官が勝手にしたことであると、まるで蜥蜴が尾を切って逃げるように、その女官を見捨てました。しかし、武照はこの旦陽の企みを逆手に取り、巧みに旦陽を罠にかけました。その結果、旦陽の罪は白日の下に晒され、帝の逆鱗に触れた旦陽は、厳罰に処せられることとなりました。
その夜、李世民は、女の身でありながら炎を恐れず、人々を救おうとした武照の勇姿に深く心を打たれました。そして、武照を夜伽の相手としてお召しになったのです。こうして武照は、あたかも細い蜘蛛の糸を手繰り寄せるように、千載一遇の好機を掴んだのです。

火事という混乱の中で冷静さを失わず行動し、さらには敵の策略を逆用して自身の立場を向上させる展開は、読んでいて胸がすく思いでございました。武照の類まれなる才覚と不屈の精神が、厳しい後宮で生き抜くための大きな力となることを予感させます。
6巻ネタバレ
先の慰労の宴より後、李世民陛下の寵愛を賜りまして、武照が夜伽(よとぎ)のお相手に選ばれる機会は格段に増えました。帝の御心を捉えて離さない武照の存在を、快く思わない后妃たちも少なくありませんでした。陛下の御子をもうけることこそが、後宮に生きる女たちの地位を押し上げる唯一の道であったからでございます。中でも「美人」の位にございます白石家は、四妃の一人、燕徳妃(えんとくひ)様に取り入るため、武照の暗殺を企てるのでした。白石家は武照に仕える女官や宦官に対し、脅しや甘い言葉で取り込み、内通させようと画策していました。
そのような折、武照はかつて自身を虐げ、罰を受けたことのある諮茉莉(とうまり)と再会します。諮茉莉は罰を受けて実家に戻ったものの、無情なる洪水が実家を押し流し、両親も兄弟もその命を奪われていました。生きる術も頼るべき人も失った諮茉莉は、後宮の最も低い身分である奴婢(ぬひ)として便壺を洗い、かろうじて命をつないでいたのです。武照は、天涯孤独となった諮茉莉の境遇に深く同情し、自身の侍女として迎え入れました。予期せぬ温情に触れた諮茉莉は、感謝の涙にむせび、このご恩に報いるため、生涯をかけて武照様にお仕えすることを心に固く誓うのでした。
そして武照は、自身の命を狙う白石家と対峙します。その表情には愛くるしい面影はそのままに、瞳の奥には燃えるような強い意志を宿し、静かな、しかし有無を言わせぬ気迫を漂わせながら、こう言い放ちました。「今後、私自身、あるいは私の周りの者たちに危害を加えようというのであれば、相応の覚悟をもって臨まれよ」と。かつて後宮の片隅でか弱く震えていた少女の面影はそこにはなく、陰湿で傲慢な后妃たちと互角以上に渡り合えるほどに、武照はしたたかに、そして強く成長を遂げていたのです。

7巻ネタバレ
玲玉が病に倒れたのではなく、その身に帝の御子を宿したことによるものと知り、武照は驚愕と共に、安堵の息を漏らしました。決して己一人のものとはならぬ帝への想いを胸に秘めつつも、友とそのかけがえのない命を、仲間と共に守り抜こうと固く心に誓う武照でした。
そんなある日、玲玉の元に祖父から一通の文が届けられました。そこには、花や木の実を飴で固めた「桂花糖(けいかとう)」という名の菓子が添えられていました。武照から、口にするものには細心の注意を払うよう常々言い含められていたにもかかわらず、敬愛する祖父からの贈り物ということもあり、玲玉は油断して桂花糖を口にしてしまいます。途端、激しい痙攣に襲われ、そのまま玲玉は帰らぬ人となってしまいます。
表向きは木の実による不慮の事故として処理されたものの、武照はその死の裏に、何者かの邪悪な企みが潜んでいるのではないかとの疑念を拭えませんでした。薬学に明るい女官に玲玉が食した桂花糖の残りを検めさせたところ、その中から「樒(しきみ)」と呼ばれる猛毒の花が発見されたのです。武照が、桂花糖を玲玉の元へ運んだ女官を厳しく問い詰めると、女官はついに白石家の指示で桂花糖に樒の花を混入したと、涙ながらに罪を認めました。
かけがえのない友を無残にも奪われた武照の胸には、静かな、しかし底知れぬほど深い怒りの炎が燃え盛り、玲玉の無念を晴らすべく、必ずや仇を討たんとの復讐を誓うのでした。

8巻ネタバレ
腕に我が子を抱くことさえ叶わず、白石家の毒牙にかかり命を落とした玲玉。その無念を晴らすべく、武照は月見の宴の席で、白石家が帝に献上する湯圓(タンユェン)に密かに毒を忍ばせるという大胆な策を講じました。目論見通り、白石家には暗殺の嫌疑がかけられるも、腹心であったはずの女官・阿蔵の裏切りにより、武照の企みは露見し、彼女は絶体絶命の窮地に立たされます。
万事休すと思われたその時、あたかも武照を救わんとするかのように徐恵(じょけい)が現れ、これまで隠蔽されてきた白石家の数々の悪行を、一点の曇りもなく白日の下に暴き出しました。これにより、白石家には極刑の判が下ります。
武照は牢獄に繋がれた白石家の元を訪れます。観念した白石家は、四妃の一人、燕徳妃(えんとくひ)の指示により玲玉に毒を盛ったと、ついに真相を吐露しました。友の無念をその身に刻むかのように、武照は樒(しきみ)を浸した水を白石家に飲ませ、処刑までの三日間、死の恐怖と苦痛を刻み込むことにしました。
この武照の冷徹な振る舞いに対し、鄭賢妃(ていけんぴ)は「いかなる理由があろうとも、人の命を奪うことは許されぬ」と厳しく糾弾しました。しかし、武照は自らの正義を譲らず、真っ向から反抗します。その姿に、鄭賢妃は苦渋の表情で平手打ちを放ち、十日間の倉庫での謹慎を命じました。それは、武照を実の子のように慈しみ、その行く末を案ずるがゆえの、深い慈愛ゆえの苦渋の決断でした。
玲玉の仇は討てたものの、皇后への道を志すならば、いずれは黒幕たる燕徳妃と対峙せねばならぬという厳しい現実に、武照は改めて身の引き締まる思いでした。

9巻ネタバレ
ある日、武照は偶然にも虫を怖がる幼気な少年・稚奴(ちぬ)と出会います。共に蟋蟀(こおろぎ)を戦わせるうちに二人は心を通わせるが、後宮に自由に出入りできるその正体は、思いもよらず皇子でした。
その頃、後宮では燕徳妃が更なる権勢を求め、帝の義兄にあたる重臣・長孫無忌(ちょうそんむき)を巧みに籠絡し、鄭賢妃を後宮から追放せんと画策していました。日頃より恩義を感じる鄭賢妃を守らんとする武照であったが、燕徳妃はその実体は雲を掴むが如く、あまりにも強大な壁として立ちはだかります。鄭賢妃が四妃の座から降ろされるとの噂は、瞬く間に後宮の隅々にまで広がり、やがて帝・李世民の耳にも達します。
武照は李世民に、「どうか鄭賢妃様を後宮からお出しにならぬよう」と必死に懇願します。すると李世民は、かねてより後宮の女たちをまとめ上げる鄭賢妃の手腕を高く評価しており、後宮から出す意志など毛頭ないと、武照に安堵の言葉をかけました。
帝が遠征のため王都を離れた後、武照の身体はふっくらと柔らかな丸みを帯び始め、周囲の者たちは懐妊の兆しと見て密かに囁き合っていました。しかし、診察した医者は、単に成長期における胸の発育であり、懐妊にはあらずと断言します。にもかかわらず、「武照懐妊」の噂は後宮に根強く広まり、ついにその噂は燕徳妃の耳にも届き、武照の元に呼び出しがかかるのでした。

レッドムーダン:グロ・残酷描写はあるのか?
漫画『レッドムーダン』を読む上で、グロテスクな表現や残酷な描写がどの程度含まれるのか気になる方もいるでしょう。結論から言うと、本作には後宮の過酷な現実や権力闘争の非情さを描くため、残酷だと感じられる描写やシーンが複数含まれています。
物語の序盤から、後宮内でのいじめ、暴力的な仕置き(鞭打ちなど)、策略による登場人物の死、そして命が非常に軽んじられる様子が描かれています。例えば、主人公・武照が守ろうとした人物が些細なことで命を落とす場面や、友情を育んだキャラクターが毒殺されるエピソードなど、読者によっては衝撃を受けたり、「コワいわ」「1巻なのに怒濤の残酷描写が続きます」と感じたりする可能性があります。作者の園沙那絵氏の画風は、こうした「えげつない描写」も巧みに表現していると評されています。
これらの描写は、単に刺激を求めるものではなく、皇帝の寵愛を巡る女性たちの争いの熾烈さ、敗者に対する容赦のなさ、そして主人公・武照が置かれる状況の厳しさを際立たせ、物語にリアリティと緊張感を与える効果を持っています。後宮という「邪智暴虐」が渦巻く世界で生き抜くための過酷なサバイバルドラマを描く上で、避けられない表現と言えるかもしれません。ただし、これらの描写が苦手な方は注意が必要かもしれません。
「レッドムーダン」 感想・レビュー:読者の評価まとめ
『レッドムーダン』は多くの漫画読者から注目を集めており、その評価は概ね肯定的です。電子コミックサイト「めちゃコミック」では総合評価4.2点(5点満点中、レビュー数838件時点)を獲得し、特に5点評価が49%、4点評価が33%を占めるなど、高い支持を得ていることがわかります。「今一番ハマっている漫画😄」「シンプルに面白い」といった声が寄せられています。
称賛の声として多く見られるのは、以下の点です。
- 引き込まれる物語とテンポの良さ: 「お話は笑いあり、涙ありでひとつひとつが丁寧なのですが長ったらしいわけではなくサクサク読み進められます」「ストーリーどんどん面白くなってきた!」など、読者を飽きさせない展開が高く評価されています。
- 魅力的な主人公・武照: 「強くたくましく、天然でかわいらしくもある魅力的なキャラクター」「決して人を蹴落として登ろうとせず自分の知識や人望で高みに上り詰めていくこの理想の主人公感が堪らないです」といった意見があり、彼女の知性や人間的魅力が読者を惹きつけています。
- キャラクターの成長と先の読めない展開への期待: 「ピュアで心優しい彼女が今後どのような道を辿って『女帝』となるのか楽しみです」「ぶしょうみたいないい子がどうやって最高の悪女になってくのか楽しみ過ぎる〜」など、主人公・武照の変貌と物語の行く末に対する強い期待感が寄せられています。
- 感情を揺さぶる物語: 「ほのぼのとして優しい話と、女同士の争い・残虐な話が交互に来るので、心が壊して治してを繰り返してます」という感想に見られるように、物語が持つ感情の振れ幅の大きさが読者に深い印象を与えています。
一方で、以下のような批判的な意見や懸念点も一部で見られます。
- 画風の好み: 作者独特の画風については「クセ強め」「好みが別れる」という意見があります。
- 歴史的正確性と衣装: 史実からの逸脱や、時代考証的に見て「西洋のドレスみたい」と評される衣装デザインに違和感を覚える読者もいるようです。ただし、「史実ガー」「時代考証ガー」は野暮かな、とフィクションとして楽しむ層も多いことが伺えます。
- 残酷な描写: 前述の通り、過激な表現が一部の読者にとって障壁となる可能性が指摘されています。
- 物語の焦点やシステム提示: 「後宮のシステムをハッキリ提示する」ことの重要性を指摘する意見や、主人公が恋愛に傾倒するのではなく「男(陛下)も踏み台くらいにして欲しかった」と、より非情な成り上がりを期待する声も見られます。
総じて、多くの読者にとって最大の魅力は、主人公・武照の波乱万丈なキャラクターアークと、彼女の今後の変貌に対する強い期待感であると言えるでしょう。歴史的正確性とフィクションとしての面白さのバランスについては様々な意見がありますが、ドラマチックな物語展開やキャラクターの魅力に重きを置く読者からの熱い支持が、本作の人気を支えています。
「レッドムーダン」 完結?最新連載状況と今後
多くの読者がその行く末に注目している漫画『レッドムーダン』ですが、2025年5月現在、完結はしておらず、連載は継続中です。
連載状況と単行本について:
- 連載誌: 当初『グランドジャンプむちゃ』で連載された後、好評を受けて本誌である『グランドジャンプ』(集英社)に移籍し、現在も好評連載中です。
- 単行本: コミックスはヤングジャンプコミックスDIGITALレーベルから刊行されており、2025年5月19日に最新刊となる9巻が発売されたばかりです。
- 次巻の予想: 読者の間や一部情報サイトでは、これまでの刊行ペースから次巻10巻は2025年9月頃の発売が予想されていますが、こちらはまだ非公式な予測であり、出版社からの正式発表が待たれます。
完結に関する情報と今後の展開:
現時点では、作者の園沙那絵氏や集英社から完結に関する具体的な時期のアナウンスはありません。 物語は主人公・武照が後宮で様々な試練に立ち向かい、徐々にその才覚と影響力を示し始めている段階です。史実における女帝・武則天の波乱万丈な生涯を考えると、物語はまだ中盤から後半に差し掛かったところであり、これからさらに多くのドラマが展開されることが予想されます。
読者からは、「作者様はどうかお体に気を付けて、これからも素敵な漫画の続きを描いてくださることを願ってます」「是非とも描ききっていただきたい」といった、作品の継続と完結を強く望む声が多く寄せられています。
今後の展開としては、以下のような点が期待されます。
- さらなる権力闘争と武照の成長: 後宮内でのより複雑で熾烈な権力争いや、それに伴う武照のさらなる成長と変貌。特に、9巻でその存在感を増している燕徳妃をはじめとする強力なライバルたちとの対決は見逃せません。
- 皇帝・李世民との関係の変化: 李世民との関係が今後どのように深まり、それが武照の運命にどう影響していくのか。
- 「女帝」への道: 歴史上の武則天が辿った、皇后、そして中国史上唯一の女帝へと至る壮大な道のりがどのように描かれるのか。彼女が悪女と呼ばれるに至るのか、あるいは名君としての側面が描かれるのか、その解釈にも注目が集まります。
- 稚奴など、伏線の回収: 物語の序盤から登場している謎の少年・稚奴の正体と役割など、散りばめられた伏線が今後どのように回収されていくのかも楽しみなポイントです。
『レッドムーダン』は、まだまだ目が離せない展開が続くことが予想されます。最新の連載情報やコミックスの発刊情報をチェックしながら、武照の壮大な物語の行く末を見守りましょう。
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まとめ:『レッドムーダン』の魅力を再確認!
今回は、壮大なスケールで描かれる中華後宮ロマン、漫画『レッドムーダン』について、あらすじから登場人物、各巻の詳しいネタバレ、作品の見どころ、読者の感想・レビュー、そして気になるグロ描写の有無や最新の連載状況、完結情報に至るまで、幅広くご紹介しました。
この記事でお伝えした『レッドムーダン』のポイントをまとめると、以下の通りです。
- 『レッドムーダン』は、後に中国史上唯一の女帝となる武則天(武照)の激動の生涯を、貧しい少女時代から描く壮大な歴史物語です。
- 物語の核心は、主人公・武照が知恵と不屈の精神で、過酷な後宮の権力闘争を駆け上がり、成り上がっていく壮絶なドラマにあります。(ネタバレ情報含む)
- 武照をはじめ、皇帝・李世民、後宮を支配する四妃、謎の少年・稚奴など、個性豊かで魅力的な登場人物たちが物語に深みと彩りを加えています。
- 皇帝の寵愛を巡る女たちの陰湿な策略や心理戦、そして主人公の成長と反撃が本作の大きな見どころです。
- 後宮の非情さをリアルに描くため、一部グロテスクまたは残酷と感じられる描写も含まれますので、苦手な方はご注意ください。
- 読者からは、先の読めない物語の展開や主人公・武照の魅力に対し、多くの肯定的な感想・レビューが寄せられており、特に今後の彼女の変貌に高い期待が集まっています。
- 2025年5月現在、『レッドムーダン』は完結しておらず、『グランドジャンプ』にて好評連載中です。最新話の展開からも目が離せません。
この記事が、あなたが『レッドムーダン』の世界に足を踏み入れるきっかけや、すでにファンである方が作品をさらに深く楽しむための一助となれば幸いです。壮絶な運命に立ち向かい、歴史に名を刻むことになる武照の物語を、ぜひご自身の目で見届けてみてください。
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